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弱さの強さ

  • Dec 18, 2017
  • 3 min read

【弱さの強さ】その3 この言葉を理論の中心に据えたメデイァ学の先生がいる。慶応大学の金子郁容さんである。彼は共著書の 『ボランティア経済の誕生―自発する経済とコミュニティ』(実業之日本社1998年)の中で用いていた。この本と鶴見和子の「内発的発展論」の著書とがぼくの教授晩年のゼミの必読文献だった。

ちなみに人名にさんをつけたりつけなかったりするのは、外人には原則としてつけない。タイ人は外国人と思っていないところがあるので、一定した呼び方をしてないが。日本人には、生存者にはつける。仮に安倍晋三さんにしてすら「さん」付けである。死亡者には歴史上の人物として扱うので、「さん」はつけない。

今、ぼくはこのボランティア経済を実践しているつもりである。タイはとても良い意味で、正真正銘の発展途上国である。このボランティア経済が、女たちを核に身の回りにじゃうじゃある。

話は飛ぶが、女の中には、弱いことをウリにしている人が少なからずいる。やや悪意ある言い方だが、実際にいることは多くの人の共感をえるだろう。同時に、妊婦は絶対的に弱い。これはだれしも共感していただけると思う。縄文土器で出土する土偶はすべて女性の妊婦であった。その共通する特徴は、顔は眼窩が大きく、目はしっかり閉じていて、まるで宇宙人のようであり、お腹が縦真一文字に切り裂かれている。そうして、すべての土偶が打ち壊されている。妊婦虐待が行われたかと疑いたくなる。本妻が妾の妊娠を憎んで殺したとか。

白川静という漢字学者が、中国の「殷」(紀元前16世紀から同11世紀)という漢字を分析して言っている。殷はあたかも妊婦を切り裂いている様。「殷」という名称はなぜか後年中国側がつけた蔑称であると。本当は「商」という商いの国名を持っていた。縄文の子を宿した女に子を抱かせる儀式、それが子は先祖の蘇りという宗教的想念と結びついて、むしろ死亡した妊婦をねんごろに弔う儀式が、縄文時代と「殷」に行われたのだろうと。宗教儀式はコミュニティの共同行動である。もっとも社会的に肉体的に弱い子を宿した女がそのコミュニティの核になるのである。このような風習は白川氏との対談の中で梅原猛が、同じような風習がアイヌにもあったと言っている。

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